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 丹後半島の先端、海抜140mの断崖に立つ経ケ岬灯台は京都百景に選ばれた景勝地。映画「新・喜びも悲しみも幾年月」の舞台にもなりました。明治31年(1898年)12月25日に初点灯。以来今日まで1世紀以上、日本海を行き交う船舶の安全を守り続けてきました。マリンブルーの海を背にした、このフランス製レンズを使用している白亜の灯台は京丹後市のシンボルとして多くの方々に親しまれています。光源はメタルハライドランプを使用し、光達距離は約40q。レンズは全国で6台しかない最大級の第1等レンズを使用しています。

経ヶ岬灯台は、11月上旬に
一般公開予定です。


 昔、岬に悪竜が住みつき、暴れまわり、海は大荒れに荒れ続き、船人や漁師を困らせていました。人々は困り果て、大陸の文殊菩薩にお願いしました。文殊菩薩は経をもって、悪竜と長い間戦いました。やがて、菩薩の教化で悪竜は善竜になりました。そして、二度と再び悪竜にならぬよう一万巻のお経を納めたことから経ヶ岬という名前がつきました。
  また沖を通る船から見ると、経ヶ岬の海岸は、玄武岩が崖状になって岐立しており経本のように見えるので、船人達がここを通る時、安全を祈り、お経を唱えながら通ったのでこの名がついたともいわれています。

 舞鶴海上保安部所管の経ケ岬灯台は、岬の先端、海抜約140メートルの位置にあって、付近航行の船舶に対し、航行援助をなし、同所の船舶気象通報観測所では、経ヶ岬の気象状況を自動観測して、越前岬灯台に併置してある送信所を経て放送し海難防止に努めています。 経ヶ岬にある各諸施設は、従来、滞在管理により運用していましたが昭和63年10月31日より各施設が自動化され、以来巡回管理によって運用されています。

●点消灯
  経ケ岬灯台は、昭和34年までは職員が在中していた為、人手によって点消灯をしていましたが、現在では、完全に自動化され、無人で運用出来るようになっています。周囲の明暗を探知するセンサーが設置され、晴れた日の日没時の明るさで、自動的に電源のスイッチが入り、灯台は点灯し、レンズが回転を始めます。日の出の明るさになると、自動的にスイッチが切れ、消灯して停止します。
●光源
  光源には、250Wのメタルハライドランプが使用され約40km先まで届く豊富な光量です。電球交換装置に現用電球と予備電球が1個ずつセットされており、現用電球断芯の時は予備電球に自動的に交換して点灯するようになっています。
●レンズ
  電球の光はレンズを通して照射されます。このレンズはフレネル式レンズと呼ばれ、折射レンズと屈折レンズからなっており、レンズ台を含め重量5トン・高さ280センチ・焦点距離922ミリで、第一等レンズにランクされています。
●水銀槽式回転機械
 レンズを回転させる機械は、水銀槽式回転機械と呼ばれるもので、1893年にフランスの灯台技師、プール・デーユ氏が重いレンズを円滑に回転させるために発明したもので、当時、画期的な発明として、世界中から注目され、パリで開かれた万国博覧会に展示されたものを、そのまま購入して、経ケ岬灯台に設置したものです。
  構造は、レンズをレンズ台と呼ばれる台(レンズを含めた総重量約5トン)に取り付けて、水銀235kgが入っている水銀槽に浮かべ、回転させるもので、その軽さは、人の指の力でも軽く動く程です。当初この機械は、分銅の重さで回転させる、手捲きの分銅捲上げ式の機械を使っていましたが、現在では、小型電動機を付加して、1回転20秒の速度で回転させています。また、朝、電源が切れて停止する時に、太陽光線がレンズを通して、その熱で中の機械を傷めないように、特定の位置に停止する装置も付加されています。

 通報システムは、灯台で風向、風速、気圧等の気象を自動観測して、海で働く人々に情報を知らせるシステムです。人々は西の方で気象観測をしている灯台の天候を知る事により、時化のスピードと灯台までの距離から、何時間か後の自分達のいる海の模様を予測することが出来ます。経ケ岬灯台の観測所では、毎時41分に自動的に観測して、福井県の敦賀市にある敦賀海上保安部の運用所を経て、毎時44分30秒から46分00秒の間に越前岬灯台の送信所から放送しています。
全国の参観灯台
・入道埼灯台(秋田県)
・塩屋埼灯台(福島県)
・犬吠埼灯台(千葉県)
・野島埼灯台(千葉県)
・観音埼灯台(神奈川県)
・御前埼灯台(静岡県)
・大王埼灯台(三重県)
・安乗埼灯台(三重県)
・潮岬灯台 (和歌山県)
・出雲日御碕灯台(島根県)
・角島灯台 (山口県)
・都井岬灯台(宮崎県)
・残波岬灯台(沖縄県)
・平安名埼灯台(沖縄県)
全国の一等レンズ
・犬吠埼灯台(千葉県)
・室戸岬灯台(高知県)
・角島灯台 (山口県)
・出雲日御碕灯台(島根県)
・沖ノ島灯台(福岡県)
・経ヶ岬灯台(京都府)




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